前回、「入門!コピーライティング」では、どのようにコピーライティングを学んでいくかについて書きました。
今回は、そんなコピーライティングに欠かせない「キャッチコピー(キャッチフレーズ)」について、代表的なものを見ていきます。
この記事の最後に軽いクイズもありますので、自信のある方はチャレンジしてみてください。
目次
飲食業
はやい、やすい、うまい(吉野家)
吉野家はみなさんご存知のとおり、牛丼を主力商品とする外食チェーンです。
この「はやい、やすい、うまい」のキャッチコピーですが、創業時から何度か順番が入れ替わっていることが少し前に話題になりました。
吉野家で牛丼を食べたことがある方は、このキャッチコピーが本当にしっくりくるでしょう。
時間とお金が節約できてなおかつ美味しい。庶民の味方だというのがこれでもかというくらい分かりやすい形で表現されています。
I’m lovin’ it(マクドナルド)
マクドナルドも説明不要ですね。
このキャッチコピーはテレビCMでもよく聞きますので耳に残っているのではないでしょうか。
マクドナルドのキャッチコピーも何度か変更されており、今のこのキャッチコピーは2003年から使用されているそうです。
英語の文法的には誤りだ、というような話もありますが、そんなのも乗り越えて「好き!」というのが強く伝わってきます。
おいしさ、そして、いのちへ。Eat Well, Live Well.(味の素)
上記の2つとは一転して少し重たいコピーですね。(笑)
しかしそこから、味の素の本気度、「食 ⇒ いのち」へのこだわりが見えます。
おいしさはもちろんのこと、ただおいしいだけではなく、人の健康を考えた食品を生み出していくという信念が読み取れます。
製造業
The Power of Dreams(HONDA)
二輪車や四輪車だけではなく、除雪機や耕うん機、近年では航空機やロボティクスにも参入しています。
夢をかなえるため、夢の力を信じてチャレンジを続け、社会と喜びを分かち合う、といった想いが込められています。
It’s a Sony(Sony)
強烈なプライドが伺えますね。(笑)
最近はCMで聞かなくなりましたが、当時は世界のソニーと言われ世界を相手に戦っていた製品力と技術力に裏付けられた自信が見て取れます。
その他
4年に一度じゃない。一生に一度だ。(ラグビーワールドカップ2019)
記憶にも新しい2019年のラグビーワールドカップで使われたキャッチコピーです。
ワールドカップは4年に1度開催されますが、「初めて」という「一生に一度」しか経験できないこと、熱狂と興奮を伝えたいという思いでこのキャッチコピーは作られました。
このキャッチコピーどおり、大会は日本代表の大活躍もあり、日本中が大いに盛り上がりました。
NO MUSIC, NO LIFE.(タワーレコード)
このフレーズも今や知らない人はいないのではないでしょうか。
「音楽なしでは生きていけない」音楽があることで生活が豊かになる、そして音楽そのものを応援することを目的として作られました。
「NO XXXX, NO LIFE.」のようにXXXXに自分の好きなもの/ことを入れて、このフレーズを発展させて使っているのもよく目にします。
番外編:ジブリ
私はジブリ作品が大好きで同じ作品を繰り返し何度も見ていますが(笑)
ジブリ作品のキャッチコピーはみなさんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
以下は全てジブリ作品のキャッチコピーです。どの作品のキャッチコピーかわかりますか?
- 少女の愛が奇跡を呼んだ
- ある日、少女が空から降ってきた…
- このへんな生きものは まだ日本にいるのです。たぶん。
- 4歳と14歳で、生きようと思った
- おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。
- カッコイイとは、こういうことさ。
- 好きな人が、できました
- 生きろ。
- トンネルのむこうは、不思議の町でした。
- ふたりが暮らした。
- 生まれてきてよかった。
- 人間に見られてはいけない。
- 生きねば。
私は、キャッチコピーを見ただけで作品の内容まで思い出すことができます。
(中には見ただけで涙が出てくるものも。。)
人の心にささるキャッチコピーとはこういうものを言うのですね。
<答え>
- 少女の愛が奇跡を呼んだ(風の谷のナウシカ)
- ある日、少女が空から降ってきた…(天空の城ラピュタ)
- このへんな生きものは まだ日本にいるのです。たぶん。(となりのトトロ)
- 4歳と14歳で、生きようと思った(火垂るの墓)
- おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。(魔女の宅急便)
- カッコイイとは、こういうことさ。(紅の豚)
- 好きな人が、できました。(耳をすませば)
- 生きろ。(もののけ姫)
- トンネルのむこうは、不思議の町でした。(千と千尋の神隠し)
- ふたりが暮らした。(ハウルの動く城)
- 生まれてきてよかった。(崖の上のポニョ)
- 人間に見られてはいけない。(借りぐらしのアリエッティ)
- 生きねば。(風立ちぬ)
いかがですか?
全部わかりましたか?
まとめ
いくつかの企業や作品のキャッチコピーをご紹介しました。
すぐれたキャッチコピーは、それを見聞きしただけでその製品や会社を思い出させることができます。
こういった人の深層心理に印象を残すことで、自社の製品の購買につなげていくのがキャッチコピーです。
ここでご紹介したキャッチコピー以外にもたくさんの優れたキャッチコピーがあります。
どのようにしてそのキャッチコピーが生まれたのか、どのような想いが込められているのかを考えると、今後、自分がキャッチコピーを作成する際の参考になるのではないでしょうか。