こんにちは、メディア編集部のタツカワです。
「コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則」を引き続き読んでいきます。
目次
マーケティング2.0を体現している日本人とは?
前回の記事では、マーケティング2.0について解説しました。
マーケティング2.0は、消費者のニーズに合わせて商品を作って販売する、「顧客中心」のマーケティングと解説しました。
記事の中で、マーケティング2.0を体現している日本人がいると書きましたね。
その人は、誰だと思いますか?
正解は。。。。
島田紳助さんです。
ひょっとしたら、タイトルにつけた「ツッパリ漫才」でわかった人もいるかもしれません。
何故、芸人なのにマーケティング?そう思う人が多いはずです。
ご存知の方も多いと思いますが、簡単に紳助さんの経歴を解説します。
紳助さんは1956年に京都市に生まれます。1976年に漫才コンビ紳助・竜介を結成し、漫才ブームの中でスターダムに上がりました。
1985年に紳助・竜介は解散したものの、以降は「開運!なんでも鑑定団」や「クイズヘキサゴン」など様々なバラエティ番組の司会者を努めてきました。
同時に、心斎橋の寿司はせ川(紳助さんの本名は長谷川なのです)のオーナーなど、様々な分野に活躍の場を広げていきました。
2011年に芸能界を引退し、現在は沖縄で悠々自適の暮らしをしています。
ぶっちゃけアンチの人も多いですが、それでも私は紳助さんの思考方法には、学ぶことが多数あると感じています。
その中で、特に私が感銘を受けたのが、芸人としてブレークした思考方法です。
それが、マーケティング2.0を連想させるのです。
ツッパリ漫才はお笑い界の常識を壊した
紳助・竜介は、ツッパリ漫才でお笑い界の常識を壊しました。
紳助・竜介が出てくる前のお笑い界では、「老若男女誰からも受け入れられるお笑い」がいいとされてきました。
しかし紳助さんは、自身のキャラが立ちすぎていて、おじいさんやおばあさんに受け入れられる丸みのある漫才ができないと判断したのです。
そこで紳助さんは、20〜35歳の男性のみに受け入れられればOKとしました。裏を返せば、女性や子供、老人には受け入れられなくてもいいと割り切ったのです。
ルックスも、今までのお笑い界では常識だった背広ではなく、リーゼントにツナギでした。
こうしてツッパリ漫才が誕生しました。
もちろん、多くの諸先輩方からは猛反対を受けました。
しかし、NHK上方漫才コンテストなどで優秀な成果を残し、オレたちひょうきん族など多くのバラエティ番組で活躍。結果を出して外野を黙らせました。
ツッパリ漫才で注意していたこと
それは、女性ファンに迎合しないことでした。
ツッパリ漫才でブレイクすると、女性ファンも増えてきました。
しかし、紳助さんは「女性ファンはありがたいけど邪魔にもなる」と、常に注意してきました。
女性ファンに安易に迎合すると、紳助・竜介らしさ、そしてツッパリ漫才らしさが消えるとわかっていたのです。
それはすなわち、本来のターゲットである20〜35歳の男性が離れることを意味します。それを避けたかったのです。
ツッパリ漫才をSTP分析に落とし込む
ツッパリ漫才を、前回のブログでも紹介したSTP分析に落とし込みます。こうすることで、紳助さんの思考方法をよりわかりやすく整理できます。
セグメンテーション(S)
男女、年齢層別に客層を分類した。
ターゲティング(T)
セグメンテーションで分けた分類のうち、20〜35歳の男性狙いに特化した。自身のキャラが立っていて、かつ自身が20代男性なので20〜35歳の男性狙いがベストだった。
ポジショニング(P)
若い男性が食いつきそうなリーゼントに作業着スタイルで漫才に臨んだ。当時は老若男女に受け入れられる漫才ばかりだったので、ツッパリ漫才の個性が際立った。
XとYの法則
最後にもう一つ、紳助さんが提唱している理論を紹介します。
それは、XとYの法則です。この法則は、マーケティングにおける大事な考え方を平易に表現しています。
簡単に言えば、X=「自分の能力」、Y=「世の中の流れ」の両者が合致した芸人はブレイクするというものです。
一発屋芸人は、XとYがたまたま一致してブレイクすることが出来た芸人です。ただ、世の中の流れと自分の能力を意図して合致できないので売れ続けることが難しいのです。
逆に、Yを適切に読み続けて(もしくはXを増やし続けて)、XとYを何度も一致させることができれば、長く売れ続けることが可能です。
こちらのブログに、XとYの関係をわかりやすく示したグラフがあるので、ぜひご覧ください。
では、この記事を終わりにします。次の記事ではマーケティング3.0について解説しますので、お楽しみに!