こんにちは、メディア編集部のタツカワです。
「コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則」を引き続き読んでいきます。
目次
【マーケティング1.0の限界】いい製品を安く大量にだけでは不十分に
前回の記事では、マーケティング1.0について解説しました。
マーケティング1.0は、①「製品中心」のマーケティングで、②「いい製品を安く大量に作れば売れる」という考えでした。
しかし、1970年代になると、マーケティング1.0では通用しない場面が増えてきました。
その理由は、以下の2点です。
技術の進歩と普及で、「いい製品を安く大量に作る」が当たり前になった
以前のブログで、「技術の進歩と普及により新しい手法が可能になる」と考察しました。
製品の生産についても、1970年代の先進国では「いい製品を安く大量に作る」ことが当たり前になってきました。
そのため、「安く」、「大量に」ということだけでは差別化にならなくなってきたのです。
相対的に消費者と生産者のパワーバランスが近づいてきた
見出しだけだと、言っている意味がわかりづらいかもしれません。
マーケティング1.0は、消費者の需要が生産者の供給を上回っていることが前提の考え方です。
言い方を変えれば、生産者が消費者よりかなり強い立場にあることが前提の考え方です。
しかし、先進国は豊かになるにつれて、公害や食品添加物による健康被害などの問題が発生しました。それにより、消費者が消費者の権利を主張する場面が増えていきます。
それに加えて、オイルショックで生産者側は大きなダメージを受け、良くも悪くも生産者が消費者より圧倒的に強い立場ではなくなってきました。
これら2つの理由から、マーケティング1.0に変わる考え方が必要になってきました。
マーケティング2.0は「顧客中心」
そこで提唱されたのが、マーケティング2.0です。キーワードは「顧客中心」。
「いい製品を安く大量に作る」ではなく、「消費者のニーズに合わせて商品を作って販売する」ことがより重要になりました。
そしてただ単に販売するだけでなく、消費者に満足してもらって繋ぎ止めることがマーケティング2.0の目的です。
マーケティング2.0の成功例は次回ブログで解説します
マーケティング2.0の成功例でよく紹介されるのが、トヨタ自動車の「かんばん方式」です。
アメリカと比べるとマーケットが10分の1程度しかない日本では、フォードのように車種を絞って大量生産することはデメリットが大きすぎました。
そこで、多種少量の生産を効率よく実施できるよう考案されたのが「かんばん方式」でした。それにより、ジャスト・イン・タイムで生産可能となりました。
ただ、私はトヨタ自動車以上にマーケティング2.0を体現していると思う日本人を知っています。
その人は、元々の本職はビジネスマンではありませんでした。しかし、元々の本職で有名になった裏側には、マーケティング2.0に通じる思考方法がありました。
次回のブログで、その人は誰か、そしてその人の戦略を解説します。
STP分析は顧客の分析に有効!
最後に、マーケティング2.0において重要なフレームワークを紹介します。
それは、STP分析です。こちらはコトラーが提唱したフレームワークです。
STPとはそれぞれ、セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)を指します。
セグメンテーションとは、市場をニーズによって選別することです。住んでいる場所、年齢層、男女などの要素で市場を選別します。
ターゲティングとは、セグメンテーションで選別した市場のうち、どの市場を狙うか決めることです。
ポジショニングは、ターゲティングで選んだ市場で自社の立ち位置をはっきりさせることです。これによって、競合と圧倒的な差をつける、もしくはそもそも競合がいない状態を狙います。
では、この記事を終わりにします。次の記事ではマーケティング2.0の事例について解説しますので、お楽しみに!