新しい消費スタイル「リキッド消費」とは?

消費行動の新しい形として拡大してきている「リキッド消費」。いったいリキッド消費とは何なのか?リキッド消費に合ったサービスにはどのようなものがあるのか?疑問にお答えしていきます。
「メディア」編集部

突然ですが、「リキッド消費」という言葉をご存じですか?

従来の所有をする消費スタイルから、モノを所有しない消費スタイルに消費者行動が徐々に変化をしてきている背景があり、この消費の変化が「リキッド消費」といわれるようになってきています。

いったい何がリキッド消費といえるのでしょうか?

今回はリキッド消費の基礎知識や具体例に触れながら見ていきます!

 

 

 

リキッド消費ってなに?

現代の消費スタイルの変化を表している言葉で、短命性かつ所有をしない、アクセス・ベースの消費行動で、最近では消費者行動研究やマーケティングの世界でも注目されています。

今まではモノを購入して所有をする「ソリッド消費」が主流でしたが、このリキッド消費の台頭により消費のパターンが拡大してきています。

リキッド消費はソリッド消費に比べると消費のサイクルが速く、より短い時間で購入したり、ブランドを切り替えたりする傾向があります。

では、ここでリキッド消費の3つの特徴を見ていきましょう。

 

短命性

これはブランドの価値をある時点では感じていても、別の場面では価値を感じなくなってしまい、そのうえでこのサイクルが短いスパンで繰り返されることを指します。

SNSのタイムラインで見た気になるミュージシャン、気になってその時はミュージックビデオなどを見ても、気が付いたら他のアーティストを見ている・・・というのは典型的な例となります。

他にも、有名なブランドバッグも一つではなくたくさん使いたい!という消費者の声に応えたバッグ借り放題サービス ラクサスというサブスクリプションサービスもあります。これも今の消費者の「短命的」なニーズにをとらえているといえるでしょう。

次から次へとテンポよく消費行動が移り変わり、流動的に楽しむことが活発になってきているといえます。

 

アクセス・ベース

市場が介入できるものの、所有権が移らない取引によって成立している消費のことをアクセス・ベースといいます。

実はこの消費、リゾートホテルへの宿泊(宿泊サービスの消費)や図書館での本の貸し出し(本を借りるという消費)など昔からあるビジネスモデルです。

しかし、最近ではシェアリングやリース、レンタル等がより注目を集めており、以前にも増して多くなってきています。

アクセス・ベース型の消費をすることでモノを所有することから解放され、変化に富んだライフスタイルを楽しむ傾向が増えてきているのかと思われます。

カーシェアリングを利用することで1台の車を所有し続けるのではなく、様々なメーカーやタイプの車を楽しむ消費ができるようになっているのも、一つの例といえます。

 

脱物質

これは物質を極力使用しない、あるいは全く使用しないことを意味します。

前は好きなミュージシャンの曲を購入する際は、CDを買ってPCに落とし込んでケータイないしはプレイヤーに落とし込んで、というようなプロセスが必要でした。

しかし、今ではSpotifyApple Musicなどのサブスクリプションサービスを利用すればCDなどを購入せずともコンテンツが手に入ります。

今やスマートフォンのカメラも進化しているので、わざわざカメラを持っていない方も少なくないと思います。これも「脱物質」に当たりますね。

 

 

 

リキッド消費に合うサービス

 

シェアリングサービス

Uber」や「Airbnb」などを筆頭に、シェアリングサービスは拡大し続けています。

カーシェアリングやルームシェアなど、皆さんも一度は何かしら利用したことがあるのではないでしょうか?

消費者も所有するよりもコストが安くなるケースが多いので利用のハードルも下がりますし、企業としても顧客を獲得しやすくなってきています。

今後も様々な形でシェアをする消費が増えていくかもしれませんね。

 

サブスクリプションサービス

「定額料金を払うことで一定期間サービスを受けることができる方式」のことをサブスクリプションサービスといいます。

音楽配信サービスの「Spotify」や「Apple Music」、映像配信サービスの「Netflix」などが有名で、デジタルコンテンツとの相性がいいです。

しかし、以前記事でも紹介したのですが他にも食品やお酒、ファッションなど、買い替えが行われるようなものについてもサブスクリプションサービスを提供しやすいといえます。

 

リサイクル・リユースサービス

不要になったものを再利用していくことで環境にもやさしく、手軽に利用できるためリキッド消費にも適しているといえるでしょう。

フリマアプリで人気のメルカリも一例です。個人が直接やり取りをするため、仲介手数料が抑えられ比較的安価に利用できるようになってきています。

 

 

まとめ

リキッド消費の特徴からサービスまでお伝えしてきました。

思わぬところでリキッド消費が広まってきていることに驚きますね。

次回はリキッド消費の広まりにより、どのような影響が生まれていくのか、ソリッド消費との関係はどうなるのかに触れていきたいと思います。

それでは!