マイエレメント(原題:Elemental)を見てきました!

先日5歳の娘を連れて、映画館でマイエレメントを見てきました。 結論から言うと、超良かったです。映像美、楽曲、ストーリー、全て良い!号泣しました。 途中からネタバレを含みますので、また見てない方は1章だけ読んで是非劇場へ。

PIXAR大好き、メディアデザインコンサルタントのまるカリです。

今回は夏休みの5歳の娘を連れて2名で映画館で吹替2D 「マイエレメント」を見ました。

 

ちょっとだけ前段にお付き合いください。

これは私のPIXAR愛ゆえにと思って、聞いて欲しいのですが…
トイストーリー4をかわきりにPIXAR作品はいまひとつでした。

子どもも笑えて大人も泣けて楽しめるみたいなPIXARの一番の強みが出せず。

ソウルフルワールドは、ストーリーコンセプトがめちゃくちゃ良いのにどちらの主人公にも共感しづらく、メッセージも大人向け。

ルカは、もはやジブリです。

今はDisney+で何でも見れる時代ですが、昔の私ならDVD買おうって気持ちにならなかっただろうなってくらい低迷期がきていたんです。

 

【過去作振り返り】

2018年リメンバーミ― ★★★★★

2018年インクレディファミリー ★★★★☆

2019年トイ・ストーリー4 ★★★★☆

2020年 2分の1の魔法 ★★☆☆☆

2020年ソウルフル・ワールド ★★★☆☆ 配信のみ

2021年 あの夏のルカ ★★☆☆☆ 配信のみ

2022年私ときどきレッサーパンダ ★☆☆☆☆ 配信のみ

2022年 バズ・ライトイヤー ★★☆☆☆ 配信のみ

2023年 マイ・エレメント(→期待値爆上がり)

 

 な・の・で 逆に期待値が上がっていたのが今回のマイエレメントです。

(頼むよ~頼むよ~)という気持ちで見ました。

 結果的にPIXAR復活とも言える、オススメ映画になりました。(あくまで個人の見解です)

 

途中からネタバレを含みますので、また見てない方は1章だけ読んで是非劇場へ。

 

【ネタバレなし】個人的にPIXAR復活作 最高のエンターテイメント

 超ライトなあらすじ

本編の核心に触らない簡単なあらすじを伝えると、火、水、空気、土を中心テーマとするエレメントたちが暮らす<エレメント・シティ>を舞台に、火の女の子で癇癪もちの<エンバー>と、涙もろい水の男の子<ウェイド>の、出会いからの奇跡の物語。

 先日君たちはどう生きるかを見たばかりだったので、観客に委ねられるようなものではなく、監督が伝えたいメッセージを、分かりやすい物語、映像、曲に乗せて届けてくれる作品です。


ストーリーはこれ以上シンプルにされたら嫌だし、これ以上カヲスにされたら嫌だという絶妙なバランスでまとめられた100分でした。

 カップルで、家族で、一人でもオススメです。吹替で見ましたが、声優さんも良かったです!!

声優の当たりはずれは個人的に劇中誰か気にならないor分からなければ当たりです。
サンドイッチマンの伊達みきお氏が声の出演があったのですが、全く気付かなかったw
ウェイドの玉森君がスゴイです。才能の塊。ファンの子は嬉しいでしょうね。

 

大人も子どもも、笑って泣ける。これぞPIXAR 

こんなはずでは・・・と思うくらい泣きましたw
私がひとつだけ懸念していた(ベースストーリーがズートピアじゃね?)は見事払拭されました。

ストーリー展開も早くて、ここはちゃんと描いてよねって所を綺麗に落としてくれてました。
Disney+に上がったら、どんなシーンを削ったのか特典映像を早く見たいです。

見たかった要素全部詰め込んでくれました。娘は途中からポップコーンの手が止まり、殆ど食べず。5歳と37歳が同じ所でタオルの取り合いになる映画です。
PIXARはやはり天才だと思いました。世代や国を問わずに、笑顔にさせたり泣かせたりと心を動かせるという事です。周りは子連れで満席でした。

 

映像美、エレメントシティーのデザインも最高。3Dでもう一度見たい

さて、素晴らしかったポイントですが、まずは映像美です。今回はそれぞれのエレメントの世界観だけでもアーティステックで好きでした。

色合いも加えて水の表現がやはり秀逸で、水のキャラクターをあんなにいきいき描きながらリアルな水(洪水など)と共存させるクリエイターの力がやはりトップクラスであります。

キャラクターデザインも最高です。可愛すぎるんだが。

※この特設サイトを見ると、世界観が伝わります。↑

 

伝えたいメッセ―ジは本筋のスパイスに  

Disneyでは世界的な影響力を考えて、ポリティカルコレクトネスについて、重要視し、積極的に採用していく取り組みをしてると公言しています。

お姫様でも女性が活躍するストーリーのアナ雪や、プリンセスと魔法のキスの黒人のプリンセスであるティアナなどは、背景やストーリーの重要な要素になっています。
ただ本筋に全く関係のないとってつけた感のある設定内容が昨今ディズニー界隈で多くファンの中でもかなり議論されてます。

今回の「マイエレメント」は移民が受けた差別や迫害についても描かれ、多様性を受け入れていこうという大きなテーマをメッセージとして伝えています。ただ、このメッセージは本筋を盛り上げる、ストーリーのスパイス的役割りをしている所が良いです。押しつけがましくないし、この要素がなかったら物語が面白くなくなってしまいます。この辺りがすごくうまいなと思いました。

 

トーマスニューマンが天才すぎた

 

重ねて音楽も良かったです。

「マイエレメント」の楽曲を担当したのは、トーマスニューマン。

過去のDisney作だとFinding Nemo(ファインディングニモ)やWallie(ウォーリー)を担当した作曲家です。最近の映画だと1917や、007の最新シリーズなどを手がけています。

今回の曲は、それこそ他国の要素をフュージョンさせたようなマイエレメントにピッタリのSoundtruckとなっています。曲の中での火・水・空気・土それぞれのエレメントを表すような楽器が含まれてるのがすごく印象的です。
街をバイクで駆け回る所や、追いかけるシーン、逃げるシーン、スピード感や爽快感もあり、劇場で聞くとかなり乗れます。
音楽に疎くてうまく伝えられないのですがインドっぽさ中国っぽさとクラシック要素を入れながら今風にK-POP風にアレンジしたって感じ。(書いてて意味不明ですが聞いてみて下さい

トーマスニューマンがスゴイのは、 エレメントの素材感や気持ちの変化など、目に見えないものを分かりやすく音にする力。これが映画の印象をかなり後押ししていると思う。

ファインディングニモの時(海)の曲の感じを少し残してるのをヲタクなら拾えると思います。

 

WARNING! WARNING! WARNING!

ここからネタバレありなので、劇場で見た方、ネタバレしても良いっていう方のみ読み進めてください。


 

 

 ↓

【ネタバレあり】PIXARでは新しいストーリーへの挑戦だったけど見事だった。

 

PIXARの過去作になかった、純度高いキュンキュンラブストーリー。

 

ラブストーリーが本筋なの?といい意味で期待を裏切られました。 PIXARの過去作には恋愛の要素はあるものの本筋は基本的に、主人公の成長や仲間との絆のストーリーが本筋の場合が多いです。

デートの時に景色を楽しむエンバーの横顔を見て頬杖をつくウェイドのカットとか純。純。

デートでプリクラ撮るのかよ。エモいぞ。エモいぞ。と37歳は大興奮です。

皆の前で好きじゃないって追い返すシーンも、まさに日本のトレンディードラマそのものでした。

すぐ恋に落ちてチューして歌ってヴィラン倒してハッピーエンドのディズニーアニメと違って、触れ合うという事ことだけでかなり引っ張って、どれだけ尊くすんの!って感じです。

ここまでやってくれちゃうと、大人の荒んだ心も潤いました。これが人間じゃないエレメントのキャラクターだからこそ、感情移入出来たのだと思います。

エンバーのお母さん(占い師)が「この枝に火をつけてみぃー」っていう二人を占うシーンでウェイドとエンバーが協力して火をつける所。あれは完全にトイストーリー1のオマージュですね。

こうやってミーハー心をくすぐってくれるのも最高でございます。

ちなみに二人の子供は水蒸気になるんですかね…(笑)良く出来ているなぁ…

監督の実話がベースにある

 

今回の監督がピーター・ソーン氏。

両親が韓国移民で彼自体は二世(つまりエンバー)ニューヨーク育ち、そしてイタリア系アメリカ人の白人女性と結婚という経緯を持っています。

彼自身が今回のコンセプトストーリーを持ち込んだわけですが、彼の祖母が「結婚するなら韓国人(同じ民族と)」と遺言を残したそうです。劇中にそのまま使われとるがなw

将来を選べない環境、他民族を受け入れられない価値観、迫害された過去、多様性を受け入れる価値観、裕福な家とそうではない家の違いなど、アニメの中で対比が丁寧に描かれています。

例えば、水がマジョリティ―であるっていう描写で街中を走る電車が水の上を走ってるが、その水しぶき、土や空気は気にしないけど、唯一、火のエレメントだけが傘を持ち歩いている(要するに生きにくい)とか。

この映画は両親へ向けたラブレターだというインタビュー記事を読みました。「自由に生きたけど誇りは失くしていない」というメッセージはエンバーの父バーニーのセリフでも使われています。

映画終わってからもう一度泣きました。

 

 

 

一番好きなシーン

 

個人的にグッと引き込まれてしまったのはガスケットボールでのウェイドの行動
冒頭から、あんなに泣き虫でダメダメのキャラで登場しておいて、ずるいだろ。

この世界では、火がマイノリティーで、水がマジョリティ―なわけですが、水のウェイドが、たった一人(マイノリティー)になっても多数派の声に負けずに、声を大にして周りを巻き込み文字通りウェーブを起こす勇姿に自分も心を動かされました。

今世界に求められているのはこういう人で、みんなどこかでウェイドに憧れているけど難しい。っていうジレンマみたいなものがあるから共感の大ウェーブも起きちゃうわけです。

本当に弱いのはエンバーの心だって、ウェイドに核心つかれちゃうシーンで、大人たちみんな「ドキっ(私のこと!)」てしてたはずですw

あと、花の名前ど忘れしちゃいましたが、沈んだ博物館に見に行くシーンの映像美は鳥肌立ちました。

 

感動して泣いたとこBEST3

1位 ウェイドが死ぬ所

クライマックスはやはり最大の見せ場でしたね。

ダチョウ倶楽部の「押すなよ押すなよ」位、「泣けよ、泣けよ」とPIXARが丁寧にふってくれてました。

心が通った瞬間に失うなんて…と娘が大号泣し、ウェイドが戻ってきてもう一回良かった~って泣いてました。
(ハッピーエンド展開が読めない子どもならでは)

水のウェイドがスポンジ恐怖症っていうのも可愛かったですね。最後は水蒸気になりながら石に吸い込まれる事で生き伸びたんだから、スポンジのトラウマがウェイドを生かしたのか。とか解釈しましたが、皆さんはどう思いますか?

2位 エンバーの旅立ちの所 

最大の経緯を表すお辞儀を父が返すシーンがやばかったです。父は自国を出る時(ニューワールドに行く)に父からそれを返してもらえなかったというバックボーンがあり、それをずっと引きずっていて、それでも火としての誇りは忘れた事がないと父に伝えたかった。でもそれは出来なくて、娘に夢を託しましたが、娘を失いかけて夢は自分の娘だということに気付き、エンバーの父が娘を別の世界へ送り出す時に、最大のリスペクトを示す事自らも救われたんだと、自分が誰目線で見ているのか分からなくなるほど号泣しました。

3位 ウェイドがウェーブを起こす所

皆さんはどのシーンが好きでしたか?
物語に純粋に感動し過ぎて隠れルクソ―ボールや、PIXARの秘密のコード「A113」も探せなかった。それどころじゃないw
お店は出来ればウェイドに継いで欲しかったなと思いました。

 

 スゴイなと思った考察を紹介

私は映画を見る前は、極力、情報をシャットアウトして、見終わったら、見た人ののレビューや考察を見たり、語ったりするのが大好きです。
同じ所に共感していたり、違う気づきがあったりして、映画っていうメディアもまた人と人を繋げてくれます。


SNSで個人的にこの方の観察力と考察がスゴイと思ったのでご紹介↓

 

エンバーは深呼吸するも、癇癪を起こしてしまう。の火は酸素を取り込むとより燃えてしまう。(よく気付けたなぁ…。)彼女は息を吸い込むんじゃなくて吐き出すべきだった。要するに中に溜めこむんじゃなくて、本音で感情を吐き出すべきだったというメタファー
対比としてウェイドが涙で感情を外に出している人=だから泣いているけど、強い人っていう事なんですねー。

 

興行収入は低めから口コミで回復

一般的に、初週の金土日で興行収入のおおよその予測が立つと言われています。
2023年6月に公開されて、、興行収入が、北米オープニング興収が2,960万ドル、全世界オープニング興zでも4,450ドルと苦戦していたため、また赤字か?なんて揶揄されていたのですが…

そこから口コミがおき、その後、客入りが回復し、全世界興収が4億370万ドルを突破し制作費2億ドルを超える大ヒットとなりました。特に韓国やオーストラリアでもヒットしてるみたいです。日本は一番最後の公開となりますが、そこまで移民文化のない日本ではどうなるでしょうね…。私はめちゃくちゃ推してます。

全世界興行収入で比較すると、「THEFIRST SLUMDUNK」が約2億4千万ドル。「千と千尋の神隠し」が約3億5千万ドル「君の名は」が3億8千万ドルほどです。

DisneyPixarのパワーもありますが。すごい成績。新海誠監督もこれにコメントしています。

口コミから火がついて行くのは良いですよね。


見た皆さん、是非感想を語り合おうじゃありませんか!!!

 

ではまた次回。