阿部大和「第19部:マーケターとして必要な顧客志向の考え方」ー2021/12/18・19超ウェブ解析士会議26時間ー

12月18日19日に行われた26時間ぶっ通しの”超ウェブ解析士セミナー” 194名が申し込みし、TwitterもZOOMのチャットも大盛況でした。 【第19部】阿部大和さんのセミナー内容のレビューです。振り返りに是非お使いください。
「メディア」編集部

メディア編集部です。
今回は超ウェブ解析士会議の様子をいち早くコンテンツ化してお届けします!!

ギルドの協会の代表のまぁるいカリスマこと吉田もセミナーに登壇させて頂きました。

ウェブ解析士代表理事の江尻さんには、ギルドの協会のメディア集客スペシャリスト講座のカリキュラム作成にもご協力頂き、日頃から大変お世話になっております。
ここに厚くお礼申し上げます。

ウェブ解析士とは?

延べ45000人超えが受講したウェブ実地資格です。

ウェブマーケティングの基盤となる、ウェブ解析について体系立てて学ぶ事が出来ます。

また講師や受講生同期同士などのウェブ解析士のコミュニティーで、様々な業界のウェブ解析士と情報交換をして学べたり、一緒にイベントを共催したりするような機会もあります。

超ウェブ解析士会セミナーとは

今年はワンコインの500円でやっちゃいます!!!
〜ウェブ解析やマーケティングの超真面目な話から人生どこかで役立つ雑学やこんな話までしちゃって良いの?という社会の縮図的な話まで垣間見えるテーマを一挙公開!〜
昨年一世を風靡したと言われた伝説のイベントがレベルアップして帰ってきました。
起業家、大手企業コーチ、大手コンサル、AI開発者、一流インストラクターや実力派ウェブ解析士、
によるマーケティングやビジネスに役立つお話だけでなく、今年は工場見学や参加型ディスカッションなどもございます!

ウェブ解析士を受講したい方はこちら

登壇者 阿部 大和さん プロフィール

ウェブ解析士マスター ・ECサイト運用、webサイト制作業務、webコンサルタント業務、事業会社SEO等の業界を経験 ・現在は事業会社にてデジタルマーケティングサービス部門の責任者をしています。 ・ウェブ解析士マスター資格を2018年に取得し講師も行っています。

トークテーマ概要

3:10-4:00
第19部:マーケターとして必要な顧客志向の考え方

概要
デジタルマーケティングの領域において、顧客の視点に立って企画を行うのが常識になってきています。そんな顧客視点とはどういう考えてもっていけばいいのか?初心者向けに解説します

当日のトーク内容の一部をチラ見せ

※講師に許可を頂き、資料を掲載しております。二次利用はご遠慮くださいませ。

顧客志向とは

マーケターが知っておくべき顧客志向について解説していただきました。
顧客志向とは、製品を主体とした利益重視の昔ながらの商流ではなく、ユーザーのニーズやメリットを優先してサービスを提供すること。

大量生産、消費の時代は終わり!
対1人に対する価値の提供や、ユーザーの気持ちや求めることを把握し、適切なアプローチをすることで長期的なファンを獲得することができる時代となりました。

 

中国の事例

中国では、日本とは段違いにDXが進んでいます。

・DXとは?

デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略語。スウェーデンにあるウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が2004年に提唱した概念であり、意味は「進化し続けるデジタル技術が、人々の生活をより豊かに変容させる」という概念のことです。

中国ではデジタル化が進んでおり、オンライン決済が主流となっている為、行動や決済データが記録されます。そのデータを利用し、信用スコアというものが構築され、それが成績となっています。
信用スコアが上がる(成績が良くなる)ことで様々な制約が解かれます。例えば海外へのビザが取りやすくなるとか、賃貸で敷金が不要になるなど。

日本では監視社会といわれていますが、成績が数値として評価されることが顧客のメリットにつながります。

スコア=社会的信用であり、生活水準も上がります。それを維持するために顧客は良い行いをするようになります。

利益追求の為に、結果的にマナーが良くなり、社会にも良い影響を及ぼしました。

このように、様々なデータから、ユーザーに良いサービスを提供し続けるとLTV(顧客生涯価値)が最大化する事が解ってきました。

阿部さんはこのエピソードを、まるでモンスターズインクの世界のようであると例えました。

子ども達を泣かせてエネルギーを搾取する短期収益の世界から、子供たちを笑顔にしてエネルギーを得る、LTV最大化収益の世界となりました。

つまり中国でいうと、偽物をつかませて利益を得るような時代から、善い行いで社会が循環するように変化したということですね。

Adobe summitでのメッセージ

People buy “Experiences ” not “Products”.~ユーザーは価格や製品ではなく、体験を買う時代に~

破壊的イノベーションによるUX例

・UXとは?

ユーザーエクスペリエンス(User experience)の略語。意味は、「ユーザーが、製品やサービスによって得ることができる体験」のこと。

これまでの常識を覆しイノベーションを起こすことで売り上げを伸ばした事例を2つご紹介します。

事例①:えんとつ町のプぺル
絵本をウェブで無料公開したにもかかわらず、2021年1月時点で累計発行部数は65万部という大ヒットにつながりました。

母親が子供に絵本を買うときは教育の為に読み聞かせたいが、お金がかかるので、絵本も本当に良いものだけ買いたい!という心理がありますが、中身がわからなければ判断はできません。その為、自分の母親に読んでもらった本を買うという流れが今までの常識でしたが、脚本・監督を務めた西野さんはそこに注目し流れを変えることでイノベーションを起こし、大成功しました。

事例②:吉野家
肉の大盛りを食べたい人もいれば、小盛りを食べたいという小食の人、どちらの願いも叶えるべく、ラインナップを追加しました。

それにより、肉を沢山食べたいユーザーと小食のユーザーにマッチしました。

その、マッチしたユーザーがファンになり、営業利益39倍のV字回復という結果になりました。

価格だけで勝負を続けて失敗した事例


上記は価格だけで勝負を続けて失敗した事例です。お勧めはしません!

値下げはまさに短期収益の一例ですね。

価値ではなく価値を提供する時代へ

時代はよりシンプルに変化しました。顧客志向を意識していきましょう!

最後に、時間が少し余ったので質問コーナーがありました。

Q.どうやって価値体験を与えよう?と、カスタマージャーニーに苦心する方も多い。大手になればなるほど、社内で決まりにくいとか。そこに対する事例はありますか?

A.ユーザインタビューをするなど、ニーズを聴くことが大切。

事例の一つで、阿部さんは、カラコンのECの卸を行っており、ある時社内では値引きの有無を考えていたそうです。そこでユーザーへインタビューを行ったところ、そもそも消耗品だし、おしゃれしたいから購入しているので、値引きは気にしないという、売り手と買い手とのミスマッチが起きたことがあったそうです。

他にもユーザーのニーズを聞くことで解決した問題や、ヒットした事例があるとのことでした。

あとは、リマインドメールのタイミングや、業界初のカラコンでお試しを行う等、細かい事ですがユーザーのニーズにつながることを行うことでヒットにつながるそうです。

Q.デプスインタビュー(調査手法)は大切ですか?情報が少ないから、これって本当に正しい調査なの?と疑問を抱きます。

A.これを何に使う?という視点が大切かと思います。
ユーザーレビューを、テキストマイニングにかけてポジティブワードとネガティブワードで分けて、そこから、ネガティブなワードは製品開発の向上へ、ポジティブなワードは広告への使用をしたりすることで活用しています。

他にも利用目的や商品がユーザに合っているのか、コミュニケーションが正しいのかを判断する要素に利用します。そのアンケートが必要な人達を整理してからインタビューを行うことが大切だと思います。

感想

マーケティングを学ぶ人は是非とも知っておくべき顧客志向について、入門編として初心者でもわかりやすく、解説していただきました。

大量生産、消費の時代は終わり、対1人に対する価値の提供に重きをおく時代になってきたことは、このコロナ禍や、地球環境の変化から薄々感じてはいましたが、阿部さんの解説により、それをさらに実感しました。

成功したマーケティング、失敗したマーケティングを解説、分析、言語化することで、新たなマーケティング手法が認知されていくのだなということも新たな発見となりました。

また、中国の事例や、価格に重きを置いたことによる失敗例、逆に今までの常識をぶち壊し、イノベーションを起こす破壊的イノベーションの事例も大変分かりやすかったと共に、常識を疑う大切さも再認識しました。

ユーザーは価格や製品ではなく、体験を買う時代になりました。最近よく聞く、風の時代の象徴ですね。
逆に言えば、常にお客様の事を考えて、適切なサービスを提供すればよいシンプルな世界となったとも考えられます。

これからの時代は、価格ではなく価値を提供する時代へとシフトしていくことを覚えておき、顧客志向を意識していきましょう。

 

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