2019年12月、ニールセン デジタル株式会社によって「TOPS OF 2019: DIGITAL IN JAPAN」が発表されました。これによると、“トータルデジタルで利用するWebサービス”・“スマートフォンアプリの利用率”・“アプリ利用時間”という3つの調査において、上位3位以内すべてにランクインしたのがYouTubeです。
ニールセン デジタル株式会社:視聴者分析と広告分析およびメディア分析のソリューションを通じて、お客様のビジネスにおける重要な意思決定を支援するデータ、分析、インサイトを提供している会社です。
TOPS OF 2019: DIGITAL IN JAPAN~ニールセン2019年日本のインターネットサービス利用者数/利用時間ランキンなグを発表~
この調査からわかる通り、YouTube広告の市場は急速に拡大し、今後もその市場拡大を加速させることでしょう。
今回は皆さんが気になるYoutube動画広告の種類と、広告出稿費がいくらなのかをまとめました。
参考にしてみてください。
目次
【YouTubeとは】
そもそもYouTubeとは、どういったものなのでしょうか?
YouTubeとは、オンライン動画配信サイトの先駆けとして、2005年に米国のYouTube,Inc.によって提供が始まった動画共有サイトのことをいいます。翌2006年にGoogleに買収され、2007年には日本版YouTubeのサービスが正式に開始されました。
どうしてYoutube動画広告が効果的なのかというと、写真では伝えきれないインパクトをユーザーに植え付けることができたり、写真とテキストだけの広告よりも、特徴を直観的に伝えやすいからです。
Facebook広告と同様に、ユーザーがクリックしない限り広告費は発生しませんし、出稿にあたりターゲットユーザーを細かく設定することができ、効果的に広告を配信できます。YouTubeユーザー数が世界で現在20億人にものぼります。
【動画広告の種類と費用】
YouTube動画広告といっても、実はその種類は様々です。それぞれの広告の特徴と、広告にかかる費用についてご紹介いたします。
①True Viewインストリーム広告
②バンパー広告
③True Viewディスカバリー広告
④バナー広告
⑤オーバーレイ広告
⑥アウトストリーム広告
①True Viewインストリーム広告
インストリーム広告とは
インストリーム広告とは、動画再生画面に流れる広告のことをいい、動画再生から5秒経過すると「広告をスキップ⏯」というポップアップが現れるのを皆さん目にすることができるとか思います。
※ノンスキッパブル(完全視聴型)広告という、スキップをさせずに最後まで視聴してもらう広告も過去存在しましたが、いまは終了しています。その代わりに「バンパー広告」というサービスが始まり、後ほど②でご説明します。
インストリーム広告には、ユーザーが視聴したい動画が再生されるとき、どのタイミングで広告を流すのかによって、以下の3つのタイプがあります。
・プレロール広告:動画再生の前
・ミッドロール広告:動画再生中
・ポストロール広告:動画視聴後
インストリーム広告は、スキップするユーザーが多いため、最後まで広告を見てもらうことができないというデメリットはあるものの、ユーザーが視聴を「選択」できるため不快感を与えにくいです。
さらに、大画面で表示されることや、文字・映像・音声を活用してターゲットユーザーに内容を訴えることができることを考えると、効果的です。
広告費用
インストリーム広告の課金システムは、広告視聴単価(CPV)課金がメインで、以下のタイミングで課金されます。
✔︎ユーザーが30秒以上広告を視聴したとき
(30秒未満の動画であれば、最後まで広告を視聴したとき)
✔︎ユーザーが動画広告に1クリックなど、ポジティブな行動をしたとき
広告のジャンルによりますが、その単価は「数円〜20円」とされています。
視聴しただけでは課金されないため、無駄な広告コストを抑えることができます。
②バンパー広告
バンパー広告とは
バンパー広告は、インストリーム広告と同様で、ユーザーの視聴したい動画再生の前あるいは後に挿入される広告をいいます。
インストリーム広告との違い
◯6秒以内という再生時間に制限がある
◯ユーザーはスキップができない
インストリーム広告が5秒間の広告視聴後にスキップができるというスキッパブル広告であるのに対して、バンパー広告はスキップができません。
視聴秒数が短く、スキップができないため、ユーザーに最後まで広告を見てもらえ、さらにユーザーに与えるストレスも少ないといえます。
またスキップができないため、企業のブランド認知度を上げるという目的には最適な広告方法といえます。
6秒という短い時間で、いかにユーザーに強いインパクトを与えることができるのかが重要になってきます。
広告費用
バンパー広告は、視聴やクリックとは無関係に課金されるインプレッション方式です。
インプレッション単価(CPM)は、1000回表示される金額であり、その相場は「400円〜600円」となっています。
③True Viewディスカバリー広告(旧:True Viewインディズプレイ広告)
ディスカバリー広告とは
ディスカバリー広告とは、YouTubeの検索結果の一部として、または関連動画の横側に、あるいはモバイルの場合にはYouTubeのトップページに表示される広告をいいます。
インストリーム広告との違い
◯ユーザーの能動性
ユーザー自身がクリックしないと広告が流れないため、広告やサムネイルに興味をもったユーザーが視聴するという点で、先ほどのインストリーム広告と異なります。
※サムネイル=「縮小した画像」。動画やサイトにおいて、その内容をわかりやすくするため・視聴者の理解を深めるために表示させる画像のことをいいます。
◯広告が表示されるタイミング
インストリーム広告が、動画視聴時に表示されるのに対して、ディスカバリー広告は、ユーザーが動画を検索している場面に表示されます。
インストリーム広告に比べて、ユーザーの目に留まる機会が少ないですが、関心が高いユーザーが視聴してくれることから、“その次のアクション”に繋がることがより期待でき、コンバージョンを高める可能性があります。
よって、満足してもらえる広告を作っておくことが重要です。「見せる」広告から、「見てもらえる・発見してもらえる」広告へと意識の変化が必要です。
広告費用
ユーザーがサムネイルや広告見出しをクリックし、視聴した瞬間に課金されます。クリック単価(CPC)は、「50円〜150円」となっています。
④バナー広告
バナー広告とは
バナー広告は、YouTubeの関連動画の上に表示されます。一見すると、ディスカバリー広告と似ていいます。
ディスカバリー広告との違い
◯ディスカバリー広告よりも上に表示される
◯ディスカバリー広告よりも、画面の占有率が高い
◯ディスカバリー広告が、サムネイルとテキストで表示され、黄色の[広告]と付いているのに対して、バナー広告は画像のみ、その画像の中にテキストが表示されています。
◯クリックした場合、ディスカバリー広告はYouTube内の動画へ移動するのに対して、バナー広告であれば、外部のサイトへ飛ばすことができます。
広告費用
バナー広告は、広告動画が1000回表示される毎に課金されるインプレッション制と、1クリック毎に課金されるクリック制となっています。
⑤オーバーレイ広告
オーバーレイ広告とは
オーバーレイ広告は、動画再生中に画面の下部に表示される広告です。右上にある×印をクリックすれば、広告を消すことができます。
広告は2つの規定サイズ、468×60あるいは728×90であり、動画またはテキストで構成されたものを表示することができます。
広告費用
オーバーレイ広告は、広告動画が1000回表示される毎に課金されるインプレッション制と、1クリック毎に課金されるクリック制となっています。
⑥アウトストリーム広告
アウトストリーム広告とは
アウトストリーム広告は、YouTube動画の“外(アウト)”である、WebサイトやSNS、アプリに表示される、スマートフォンやタブレット等のモバイル専用の広告のことをいいます。
その他広告との違い
◯広告の掲載面
これまで述べたインストリームやバンパー等の広告は、YouTube上で表示されるものであり、“Google広告”というサービス上で配信できる広告です。それに対してアウトストリーム広告は、モバイル向けのGoogleと提携しているサイトやアプリに表示されます。つまり、YouTube上には配信されません。
アウトストリーム広告によって、YouTube利用者以外にもリーチできる期待が高まります。
◯自動的にミュートで流れる
モバイルでショッピングしたり、最新ニュースをチェックしている最中に、広告が画面に現れると自動的にミュートで再生されます。
ユーザーはタップしてミュートを解除することも、サイトに訪れることも、あるいはスクロールして広告を飛ばすことも、簡単にできます。
アウトストリーム広告によって、クリックやタップなどの能動的な行動をしないユーザーもリーチできる可能性が広がります。
広告費用
アウトストリーム広告は、視聴可能なインプレッション単価(vCPM)に基づいて課金がされます。課金条件は、動画に占める広告の面積が50%以上で、かつ2秒以上視聴された瞬間が、課金のタイミングとなります。
【まとめ】
動画広告は、静止画よりも視聴者に伝えることのできる情報量が多いのが魅力です。
多くの人が利用するYouTubeを広告媒体として活用していくことは、今後の広告市場において必要不可欠になるでしょう。