前回の記事では、「5Gがやってきた(前編)」として、そもそも5Gって何?ということや、4Gとの違いについて説明しました。
https://guildproject.com/column/2489/
後編では、5Gになると何が変わるのか、具体的にご紹介します。
目次
動画
前編でも書きましたが、2時間映画が3秒でダウンロードできるようになります。
こうなると、今まで通勤時間中にふと見たくなった映画や番組を、その場でたったの数秒でダウンロードして視聴することができるようになるため、通勤時間を有意義に使えたり、前日の寝る前にスマホに予めダウンロードするような手間が省けます。
今までだと、電波が途切れないように気を付けたり、Wifi環境に繋げたり、それでも数分や長い場合だと数十分掛かったりしていましたが、もうそんな苦労はしなくても済むようになります。
しかも、超高画質の動画がダウンロードできるようになるため、通勤時間や移動時間でも非常に高品質の動画を視聴できるようになります。
VR/AR
VRとは「Virtual Reality」の略で、仮想現実とも呼ばれています。
また、ARは「Augmented Reality」の略で、拡張現実と訳されます。
VR/ARの詳細な説明はこの場では省きますが、それぞれで何ができるようになるかについて、具体的な例を出して解説します。
まずは、スポーツ中継やアーティストのライブ中継の体験が大きく変わります。
専用のデバイスを通じて、様々な視点からプレイやライブを観戦できるようになります。
また、今見ている人物の情報についてもその場で見ている画面上に表示することができるようになります。
例えばサッカーの試合で、いちプレイヤーの視点で観戦することができるようになれば、フォワードの選手が相手ディフェンスの選手を抜く瞬間を体験できたり、ゴールキーパーの視点に切り替えて、強烈なシュートを体験出来る日がくるかもしれません。
ゲーム
今既に、スマホで大勢の人がいろいろなゲームを楽しんでいることと思います。
ただし、オンラインでリアルタイムに、大勢の人が参加できるようなゲームはまだ少ないです。
しかし、5Gになると高速で大容量の通信が可能になるため、スマホでもプレイでき多人数で同時接続するようなゲームがこれまで以上にでてくるでしょう。
またそれに合わせてデバイスのスペックもどんどん改良されていきます。
超高画質で大画面、プレイしているキャラクターの動きも非常に滑らかで、たくさんの情報を処理できるような画面を持ったスマホが次々に発売されることでしょう。
自動運転
5Gの大本命の自動運転。
これは既にGoogleやApple、その他のメーカーでも実用に向けて研究開発が進められている分野で、「コネクテッドカー」とも深い関連があります。
コネクテッドカーとは、インターネットに常時繋がっている自動車のことを言います。
今でも渋滞情報などはカーナビや地図アプリで知ることができますが、コネクテッドカーになり自動運転が完全に実現されると、目的地までの最短時間のルートを自動的に割り出して、自動運転で目的地まで連れて行ってくれるようになるでしょう。
途中でコンビニに寄り道したくなったときは音声で近くのコンビニに寄るように指示すれば、自動運転で最寄りのコンビニに寄ってくれるでしょう。
映画で見た未来の世界がもうじき実現しようとしています。
ちなみに自動運転には0~5までのレベルが定義されています。
レベル0:ドライバーがすべての運転操作を実施
レベル1:システムがステアリング、またはスピードをサポートし、ドライバーがもう一方をコントロール
レベル2:システムがステアリングとスピードの両方を操作
レベル3:システムが特定の場所で全ての運転操作を実施し、ドライバーは緊急時のみの操作
レベル4:システムが特定の場所で全ての運転操作を実施 2020年代
レベル5:システムが場所の限定なく全域で運転操作を実施 2030年代
レベル4は2020年代、レベル5は2030年代に実現するのではないかと言われているそうです。
医療
医療の分野でも5Gになることで大きな飛躍が期待されています。
例えば遠隔での診療や手術が可能になると言われています。
医者が患者と対面することなく、遠隔で画面を通じて診察を実施します。
これは今でも技術的には可能ですが、より高画質な映像を見ながらの診察や、診察中に全く通信遅延が生じないことによって、医者も患者もストレスフリーな診察が可能になります。
また、難病の診療や手術などもその権威のある医者に見てもらうことが可能になることで、これまでは回復に時間が掛かっていたり諦めていたものが、これからは治療の可能性が高くなるなど、医療に向ける期待は大変大きいものになっています。
商品購入
スーパーやコンビニなどの日常の消費行動でも大きな変化が現れてきます。
既にアメリカの一部の地域で実現されている「Amazon Go」というサービスがご存知でしょうか。
これは、米Amazonが運営するレジ無しのコンビニで、来店者は入口で電車の改札のようなゲートを通って入店し、好きな商品を手に取ってゲートを通ってお店を出ればよいのです。
数分後にアプリにレシートが送付され、アプリ上で会計処理が実行されます。
レジで待つ時間もなければ、万引きの心配もありません。
5Gが普及すればこのような店舗がもっと増え、消費者の購買体験はより便利で簡単になるでしょう。
まとめ
5Gが普及すると、私たちの生活がどのように変わるのか、具体例を上げて説明しました。
上記で挙げたような変化は既に始まっており、実際に私たちが触れることができるようになるのもそう遠い未来ではないでしょう。
インフラや技術の革新により、新しいサービスが生まれてきます。
そこには、上記で挙げたようなワクワクするような良い面もあれば、プライバシーの問題や地域格差のような負の側面もあります。
しかし、どのように抗っても未来はやってきます。
便利さを享受しつつ、負の側面についてもみんなでひとつずつ知恵を絞って解決していくことができれば、未来はきっと今よりもずっと楽しいものになるはずです。