「インスタ映え」とよく言われていた“流行り”のプラットフォームから、近年は“日常”のプラットフォームへと、Instagramそのものの存在価値が大きく変化しています。その上で、Instagramにとって見るべき成果指標もより多様化しています。
現在も、Instagramを運用していく上で、「フォロワー数」を成果指標に置いている企業や個人の方々が多くいます。もちろん、フォロワー数を追うこと自体が間違いなわけではありません。重要なことは、Instagramを運用する「目的」をしっかり捉え、その目的にあった成果指標は何であるのかを把握することです。
目次
目的別で成果指標を考えてみる
インスタ映えを意識しない、日常のプラットフォームとしてのInstagram。もはや単に投稿をする媒体に止まりません。その例として、以下3つの活用方法を挙げ、それぞれにあった成果指標は何であるのかを考えてみたいと思います。
①価値ある情報をユーザーに届けたい
②ユーザーと信頼関係を築きたい
③ユーザーの口コミを増やしたい
①ユーザーに価値ある情報を届けたい
ユーザーは、有益な情報を求めInstagramを活用しています。
その場合、多くのユーザーに発見されるアカウントになるために重要になってくるのが、「エンゲージメント」と呼ばれる指標です。
※エンゲージメントとは=投稿に「いいね!」・コメント・保存などのリアクションがされた総数の事を言います。
その中でも「保存数」を成果指標にするのがオススメです。
Instagramの保存機能は、そもそも後からこの情報をまた見たいというブックマークの役割を果たします。
また有益な情報を保存して溜めておきたい。
またこのユーザーの投稿を見たいという心理も働いていると思います。
「保存数」の多い投稿は、価値のある情報を届けていると判断してもいいでしょう。
また、「保存数」が多い投稿は、フォロワー増加だけではなく、「いいね!」やエンゲージメントという全ての機能に良い影響を与えることがわかっています。
つまり、「保存数」を伸ばすことが、多くのユーザーにアカウントを発見してもらえることにも繋がり、効率的にアカウントを運用することができるのです。
②ユーザーと親密になりたい
ユーザーと信頼関係を構築するのに効果的なのは、Instagramをコミュニケーションツールとして使うというやり方です。
一方的に情報発信をするプラットフォームではなく、ユーザーとのコミュニケーションツールとしてInstagramを運用していく上で重要になるのが、「ストーリーズ投稿に対するリアクション数」を成果指標として置くことです。
Instagramのアルゴリズムにおいて、「アカウントとユーザーとの親密さ」は、ユーザーのあらゆる行動をもとに判断されています。
具体的には、ユーザーがストーリーズ投稿のアンケートへ回答したり、クイズへ参加するという行動は、アカウントとユーザーとの親密度を高めていることになります。
親密度が高いと判断されると、このユーザーがInstagramを閲覧する際、自社のアカウントのフィード投稿がより上に、またストーリーズの投稿がより左側に表示されることになり、アカウントを発見されやすい環境をつくることができます。
ユーザーにとってアカウントを身近な存在と感じてもらえるように、日頃からコミュニケーションを取り信頼関係を築いていくことでユーザーのエネルギーを高め、結果としてUGC創出や購買意欲の向上へも繋がります。
※UGCとは=「User Generated Contents」の略であり、ユーザーの手によって作成されたコンテンツを意味します。Instagramにおいては、ユーザーが企業の商品やサービスを利用する写真や動画、口コミやレビューされた文章などを指します。
③ユーザーの口コミを増やしたい
ユーザーは、“新しいモノやサービスに出会う”ことを求めるとき、これまでの検索エンジンではなく、Instagramを活用するように変化しています。
#タグるという造語が生まれ、SNS世代では、新しいカフェ、気になるコスメをハッシュタグで調べる時代になりました。
Instagramにおいて、企業でブランドの信用を獲得するのであれば、ユーザーが企業の商品やサービスを利用する写真や動画、口コミやレビューされた文章投稿した数が大事になります。
つまり「UGCの件数」が成果指標として重要になってきます。
ユーザーに発見してもらえるアカウントとなるには、自らのアカウントが発信するだけではなく、ユーザーがUGCを常に投稿するような状態にすることが大切です。
“ユーザーからの情報発信”という「UGC件数」を意識することで、その他ユーザーの投稿に埋もれて発見されにくい状態を避けることができ、また、最もユーザーのニーズが高まったタイミングに見つけてもらえるアカウントになることができます。
#ブランド名 #サービス名 等のオリジナル#ハッシュタグで検索して、件数を数えましょう。
さらに、UGC(口コミ)が豊富に存在するアカウントであるということは、ユーザーにとってモノやサービス、ブランドや企業の信頼性にも繋がります。
まとめ
以上のように、Instagramの利用目的によって、重要となる成果指標も異なってくることを紹介しました。
フォロワー数を増やすことも大切ですが、フォロワー至上主義では、多様化するInstagram社会に、適用できません。
①ユーザーに価値ある情報を届けたい
→フィード投稿の保存数
②ユーザーと親密になりたい
→ストーリーズのリアクション数
③ユーザーの口コミを増やしたい
→UGCの件数
Instagramの価値が幅広くなってきた今、自らのマーケティングにおけるプロセスやゴール、課題をしっかり捉え、最適な成果指標を設定しましょう。