働き方の自由度が高いとされるフリーランス。働く場所や時間の融通が利くというメリットがありますが、仕事上のトラブルは個人で責任を負わなくてはいけません。
状況次第では賠償責任が生じるため、今後の仕事に影響を与える可能性があるのです。
フリーランスとして働くためには、賠償責任について目を向ける必要があります。
ここでは、フリーランスに賠償責任が生じるケースと保険について紹介していきます。
目次
フリーランスの賠償責任は個人が負う
会社員が仕事上のトラブルで損害賠償を請求されても、基本的に会社が責任を負ってくれます。
被雇用者という立場から、ミスをしても会社側が守ってくれるのです。
しかし、フリーランスは労働基準法上で事業者として定められているため、全ての責任は自分で負わなくてはいけません。
クライアントとの間にトラブルが生じても、クライアント側がフリーランスの損害賠償を肩代わりする義務がないのです。
自分の身は自分で守る必要があるため、賠償責任について知らないと怖い結果になるかもしれません。いくら仕事が順調であっても、多額の損害賠償を請求されると今後の仕事に悪影響となる可能性があります。
損害賠償を請求されるケース
クライアントに損害を与えた場合は、損害賠償を請求される可能性があります。
ここでは、具体的な損害賠償を請求されるケースについて紹介していきます。
期限内に納品できなかった場合
仕事を請け負うと必ず納期が発生し、期限内に納品しなくてはいけません。
病気や怪我によって納期が遅れたり、災害によって仕事をすることができない状態になることもあります。
想定外のトラブルで納期が遅れてしまった場合でも、クライアントに損害が生じると損害賠償を請求される可能性があるのです。
納品物に不具合や欠落などの問題があった場合
納品したデータや商品などに問題があった場合、クライアント側に損害を与える可能性があります。
データ入力ミスにより商品の発注ミスなどが起きると大きな損害になりかねません。
納品したシステムに不具合が発生すると使用できないため、代替えのシステムを使わなくてはいけなくなり、代替えシステム運用に関する費用を請求されることもあるのです。
情報漏洩などのセキュリティに問題があった場合
業務上必要な情報をクライアント側から預かり、機密扱いの情報を外部に流出させてしまうと多大な損害を与えてしまいます。
機密情報の入ったPCやタブレットなどの紛失、セキュリティの脆弱性を狙った乗っ取りなどで流出してしまうケースもあります。
また、自身が請け負った仕事を下請け業者に発注し、下請け業者が情報を流出させた場合でも賠償責任を負う可能性があるのです。
もしものときのための賠償責任保険
賠償責任を負う事態になっても保険に加入しておけば、もしものときに安心です。
フリーランス向けの賠償保険が用意されているため、いくつかの賠償責任保険を紹介します。
フリーランス協会が提供する賠償保険
フリーランス協会とは、フリーランスとして快適に働くためにデメリットを無くそうと発足された団体です。
フリーランス協会の一般会員(年会費1万円)になると自動的に賠償保険が付帯されます。
業務中に起きた対物・対人事故や納品物のミス、情報漏洩などによる損害に対しての保険です。
補償額は内容によって最高1億円、期間中の限度額は10億円となります。
GMOクリエイターズネットワークが提供する賠償保険
GMOクリエイターズネットワーク株式会社がフリーランスや個人事業主向けに賠償保険を提供しています。
フリーランス向けの賠償保険は、フリーナンスあんしん補償という名称になります。
納品物のミスや事故などによる納期遅延、情報漏洩などにも対応した保険です。
補償額は内容によって最高5,000万円、期間中の限度額は5億円となります。