前々回の記事(プロジェクトマネージャーになろう!今日から始めるPM(プロジェクトマネージメント)、前回の記事(何故、プロジェクトは炎上するのか?プロジェクトが炎上したときにPMが取るべき行動)に続いて、今回はプロジェクトを炎上させないテクニックについてご紹介します。
プロジェクトがひとたび炎上してしまうと、それを鎮火するのは容易ではありません。
ですので、プロジェクトは炎上させないに越したことはありません。
炎上の予兆を察知し、先回りして対応できれば炎上を防ぐことができます。
前々回の記事でご紹介しました、PMBOK(Project Management Body of Knowledge)ではプロジェクト管理に関する知識を10の知識エリアに分類しています。
その中でも、私がPM歴8年で培った炎上を防ぐ方法を3つご紹介します。
目次
炎上をふせぐ①コミュニケーションマネジメント
プロジェクトが炎上した原因を探ると、大半は「コミュニケーション不足」「コミュニケーションミス」が上がってきます。
コミュニケーションマネジメントは、プロジェクトの種類やチームの規模に関わらずプロジェクトマネジメントで最も重要な領域のひとつだと私は考えています。
コミュニケーションが円滑であれば、何か問題が発生した場合でも解決策やその後の対応についてチーム内での認識を合わせることができます。
逆にコミュニケーションが上手く取れていない場合は、そのプロジェクトは非常に炎上の危険性が高いと言わざるを得ません。
プロジェクトが途中何の変更もなく当初の計画通りに完了することは大変稀です。
ということは、その変更を如何にチーム内で正確に情報共有し、スムーズに実施できるかが鍵になってきます。
コミュニケーションマネジメントについてはPMBOKに詳しく書かれています。
ここでは簡単にご紹介しますので、詳しく知りたいかたは是非PMBOKをご参照ください。
コミュニケーションマネジメント計画
プロジェクトのステークホルダーや他の関係者と、いつどのような場でコミュニケーションを取るのかについて計画を立てます。
そしてその場での議題や目的についても予め定義しておくことで、定期的にコミュニケーションを取る場を提供したり、何か変更が発生した場合に議論・決定しその情報を共有する場を用意します。
コミュニケーションマネジメント
実際のプロジェクトの情報収集や共有、管理を行います。
進捗報告書や成果物、スケジュールなどの情報の管理も実施します。
コミュニケーションコントロール
プロジェクトのコミュニケーションが計画の通りに実施されているかを監視します。
ここでコミュニケーションに問題が見つかった場合は、原因を特定しコミュニケーションマネジメント計画を改善します。
炎上をふせぐ②タイムマネジメント
プロジェクトの推進にタイムマネジメントはとても重要です。
プロジェクトには期限がありますので、期限内にプロジェクトを完了する必要があります。
せっかくタスクが明確になっても、そのタスクの進捗が把握できなければ、計画に狂いが生じる危険性が上がります。
プロジェクトが炎上するのは、タスクが計画したスケジュール通りに完了しなくなることがきっかけになることがほとんどです。
タイムマネジメントをきっちり実施することで、炎上の予兆を察知することができます。
また、スケジュールを立てる際に各タスクの見積もりを実施します。
見積もりの立て方にはいくつかの手法がありますので、ご興味のある方は調べてみてください。
炎上をふせぐ③統合マネジメント
統合マネジメントとは、PMBOKに定義された10の知識エリアをとりまとめて、プロジェクト全体を統合・管理します。
具体例を1つ挙げると、プロジェクトキックオフを開催し、そのプロジェクトの目的やゴール、スケジュール、関係者などの情報を取りまとめ、プロジェクトチームメンバーに周知します。(プロジェクト憲章の作成)
何となく集められ目的やゴールの共通認識が無いままでスタートしたプロジェクトは、破綻する未来が目に見えています。
キックオフを開催し、目的やゴールを明確にすることで、もしプロジェクトの進捗中に問題や変更が発生した場合でも、「軸」をぶらすことなく対処することができます。
まとめ
プロジェクトが炎上しないための要素3つお分かりいただけましたか?
・コミュニケーションマネジメント
・タイムマネジメント
・統合マネジメント
プロジェクト炎上を未然に防ぐために特に大切だと私が感じる3つを挙げましたがPMBOKには必要な知識体系がたっぷりと詰め込まれていますので、是非勉強してみてください。
皆さんも、これからも今後も、とても多くのプロジェクトに携わると思います。
そのプロジェクトが炎上することなく、無事完了できるように日々研鑽してください。