前回の記事(プロジェクトマネージャーになろう!今日から始めるPM(プロジェクトマネージメント)では、これからプロジェクトマネージャーになろうという方向けに記事を書きました。
では、「プロジェクト」と聞いてあなたは何を思い浮かべますか?
「プロジェクトX」ですか?
「プロジェクトA」が思い浮かんだ方は私と同世代ですね!
プロジェクトと聞いて「炎上」というワードが思い浮かんだ方は、既にプロジェクトの炎上を経験している方か、記事などで目にしたことがありプロジェクトが炎上する事にに恐怖のイメージを持っている方かと思います。
ここでは、プロジェクトが炎上する仕組みや原因を探り、そのときPM(プロジェクトマネージャー)が取るべき行動をシステムのPM歴8年の私が教えたいと思います。
目次
プロジェクトの炎上とは?
そもそも「プロジェクトが炎上した」というのは一般的にどういう状態のことでしょうか。
次の3つの項目が当てはまれば、そのプロジェクトは炎上していると言えるでしょう。
- プロジェクトメンバーの残業や休日出勤が定常化している
- スケジュールや予算などが計画から頻繁に変更されている
- 人員の追加や仕様の変更が頻繁に行われるが終息の目途が立っていない
このように、ただ計画に変更があっただけではなく、変更のリカバリーをしようとメンバーが頑張って対策を取っているにも関わらず収束の目途が立たず、そのために何度も何度も変更や対策が取られていれば、そのプロジェクトはもう「炎上している」と言っても過言ではありません。
プロジェクトが最初に立てた計画通りに一度の変更もなく完了することは稀です。
では、変更が発生していく中でプロジェクトが「炎上」する理由を探っていきましょう。
プロジェクト炎上の3大原因
プロジェクトが炎上する原因は大きく分類して3つあります。
一つ目は、「成果物が明確でない、または頻繁に変更される」ときです。
ゴールが明確でなかったり、途中で変わったりすれば、チームメンバーはどこに向かって進めばいいかわかりません。
二つ目は、「スケジュールの見積もりが甘い」ときです。
甘いと言っても、楽観的に短過ぎることが炎上の原因となります。
例えば、本当は1か月かかる作業を2週間と見積もってスケジュールを立ててしまった場合、計画の時点で達成できる見込みが極端に低い状態でのスタートになってしまいます。
三つ目は、「工程管理が上手くできていない」ときです。
どのような作業がどのような順番で誰によっていつまでに完了されるのか、これらの管理をPMができていない場合に、上記の2つともあいまってプロジェクトは炎上してしまうでしょう。
これら3つが起きていないか、PMは常に目を光らせましょう。
炎上したときにPMが取るべき行動
プロジェクトを炎上させずに成功に導くのがPMの仕事です。
プロジェクトを炎上させないための方法はまた別の機会に書きたいと思いますが、ここでは
プロジェクトが炎上したときにPMがどのように対処すべきかについて考えていきたいと思います。
炎上しているプロジェクトに後からアサインされたり、どれだけ細心の注意を払っていても炎上してしまうことはあります。
そういった炎上プロジェクトに遭遇した場合に、PMは何をすべきかをご紹介します。
原因を突き止める
何故、このような状況に陥っているのか、原因を突き止めましょう。
原因を正確に把握しないまま何となく対処してしまっていると、どんどん深みにはまっていきます。
問題を間違えると正しい解答は導き出せません。
解決策を複数用意する
原因が明らかになった後は、その解決方法を考えます。
ただしこのときに、複数の解決策を出すようにしてください。
それぞれの解決策には、メリットとデメリットがあるはずです。
それらを比較し、プロジェクト(プロジェクトオーナーやステークホルダー)に取ってより好ましい解決方法を選択するためです。
また、デメリットを考えて把握しておくことで、予めその対策についても考えることが出来たり、そのデメリットを許容することで対策に幅が出てくる場合もあります。
変更の周知
解決策が決まったら、その内容とそれを実施することによって生じる変更について、改めてプロジェクトに関わるメンバー全員に周知してください。
作業担当者のアサインやスケジュールの変更、仕様や成果物の変更について、メンバーが間違いなく認識・理解する必要があります。
せっかく決まった解決策も、正しく実行されなければ意味がありません。
まとめ
プロジェクトの炎上とは何なのか?また不運にも炎上したプロジェクトに関わってしまった場合にPMが何をすべきかについてまとめました。
炎上は結果です。起きてしまったものは仕方がありませんので、正しく原因を究明し対策を練り、今後炎上させないよう「前向きに」取り組んでください。