フリーランスになる前に知っておきたい契約の基礎知識

契約って難しいと思いがちですが理解すればそんなことはありません。ここでは契約の基本的な知識についてお話します。
「メディア」編集部

ビジネスをする上で必ず欠かせないものが「契約」です。

会社に勤めていても企業同士や企業と個人で契約を結ぶことは多いと思います。

契約の話となったら法務に振れば良い!難しいことは上同士で話してもらおうなんて過ごしてきたあなたもフリーランスとなれば話は違います。

 

今回はそんな「契約」についてお話ししていきます。

私自身、企業人事を7年ほどしており法学部を卒業したわけでもないですが従業員の雇用契約であったり、人事系のシステム等を組んでもらう取引先との委託契約を結んだりした際、契約について学びました。

 

「契約」と聞くだけで難しいのでは?と思う人もいるかもしれませんが基本的には2者間でやりとりをする上で当たり前のことが書いてありますのでこれを読んで最低限の知識を付けていただければ嬉しいです。

 

そもそも契約とは?

まずは契約について定義と成立要件ですが

定義

二人以上の合意により、契約相手に対して、法律に基づいて権利や義務を生じさせる行為。

成立要件

意思表示の合致(=「申し込み」と「承諾」の一致)があれば、 口頭でも 契約が成立する。 

 

となっています。

ポイントとしては口約束も法的に有効であるということです。契約は契約書が必ず必要と思いがちですが、必ず必要な連帯保証契約など一部を除いて契約書は要りません。

例としてコンビニエンスストアでペットボトルのお茶を買うとします。

レジまで商品を持っていくことが申込で店員が受け取れば承諾し売買契約が成立しているのです。この日常的なやり取りに契約書を結んだりはしませんよね?少し極端な例ではありますがこのように簡単に契約は成立するのです。

 

今ではSNSなどで簡単にコミュニケーションが取れてしまいますから自分が意図していないところで契約が成立していまいトラブルにならないよう特に新規のクライアントなどとやり取りをする場合は注意しましょう。

 

契約で何を決めれば良いの?

次に契約をする場合に決めなければならないことです

依頼方式

まずどのような依頼となっているかです。

主にフリーランスでは以下のような方式があります。

・請負契約

成果に対して報酬が支払われる。

・準委任契約

単純な業務の委託で完成義務は無い。(委任契約は法律行為の委任となる)

 

大まかですが仕事の成果物を求めるのが請負、仕事の過程を求める場合は準委任契約と認識しておきましょう。

 

業務内容

提供するものは成果物なのかサービスなのかを記載すると事ですが出来るだけ具体的に書くことがポイントです。

依頼主であるクライアントとしては少しでも多くの業務をしてもらいたいためざっくりとした内容を希望する場合が多いです。

とりあえずなどと言って契約をしてしまうとあとで拡大解釈されあれもこれもと追加で依頼をされてしまいます。必要であれば新たに契約すればよいのです。

 

報酬

報酬と言っても成果物=○万円と書けばよいわけではありません。

源泉徴収についてどうするか、税込みなのか税別なのかをきちんと明記しておく必要があるでしょう。

また銀行振り込みをする場合には振り込み手数料の負担はどちらかも決めておく必要があります。

着手金を設定し先にお金を受け取る場合は、途中破棄した場合の対応を記載しておく必要があります。

 

細かいところもありますがお金に関わるところですので後でトラブルにならないよう取り決めましょう。

 

期間

委任・準委任契約であれば予定の勤務時間を記載します。

請負契約は成果物に対して報酬が払われるので細かい予定は記載しませんが納品予定と納品後の保証期間などを考慮し記載することになります。

当然ながら請け負う側としては保証期間はなるべく短いほうが良いです。

 

権利

成果の権利(著作権)をどこに帰属させるかです。

通常は納品し代金を支払われればクライアントに受け渡すイメージですが、デザイナーなどであれば第三者使用を制限したり、グッズを販売する場合の利益分配など注意しておかないと折角の権利を全て明け渡すこととなります。

 

秘密保持

取引における情報の流出をしないということになります。

当たり前のことですがこちら側の技術やノウハウを多く開示するのであればきちんと双方に義務が発生しているかをきちんと確認する必要があります。

 

契約書を取り交わしする際の注意点

今ではクラウドサイン(cloud sign)なども導入されてきているので紙での契約は今後無くなっていくかもしれませんがまだまだ現実には存在しますので気をつける点をお話します。

印鑑

記名+押印が基本です。

あとで偽造されないようシャチハタではなく、登録印、なければ認印にしましょう。

また契約書が複数枚になる場合には製本し冊子にする必要があります。

印紙

請負契約は印紙を貼付する必要があります。

印紙は部数ごと必要ですのでクライアント、フリーランス各1部刑や貴書を持つ場合はそれぞれに貼り付けます。

金額は請負金額に応じて異なりますので国税庁のホームページを参照してください。

 

まとめ

今回は契約の基本的な内容をお話しました。

自分は技術やスキルで勝負するから契約のことなんて知らなくてもやっていけると思いがちですが契約をおろそかにすると知らないうちに搾取されてしまうかもしれません。

逆に知っていることで自分に有利に事を運ぶことも出来ます。

 

専門的な知識を学ぶ必要はありませんが最低限の法律知識は覚えましょう!