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YouTubeの動画広告とは
Googleが提供するサービス、Google広告(旧:GoogleAdwords)を利用して配信する動画広告のことをいいます。
YouTube動画広告を配信するために、まず必要となる“Google広告へのアカウント登録”、”出稿の流れ”をこちらでご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
そもそも動画広告は効果があるの?
Yahoo! JAPANが、動画と静止画について、広告想起リフトの観点から広告効果を調査しています。
広告想起リフトとは、対象となる広告をどのくらいの人が覚えているのかの指標です。
参考:https://yahoojp-marketing.tumblr.com/post/183369605088/20190311
この調査によると、実は動画と静止画とでは、広告想起リフトに大きな差はないとの結果がでています。その理由は、動画と静止画とで、以下のようにそれぞれ特徴があるからとされます。
動画 :情報量は多いが、最後まで見てもらえないと届けられる情報も異なる
静止画:情報量は少ないが、見た人に必要な情報を伝えられる
ただ、動画広告について、その再生率と広告想起リフトを調査した結果によると、再生率が高まれば広告想起リフトが高まることがわかっています。
よって、動画広告としての効果を発揮させるために、その特性、特に長所をしっかり掴んでおく必要があります。
動画広告のメリット
・情報量が多い
静止画に比べて、動画は“時間軸”を使うことができるため、同じ広告枠サイズであったとしても、盛り込みたい情報量は格段に増えます。
また、“メラビアンの法則”に従えば、動画は「言語・聴覚・視覚」すべての情報を盛り込むことができるため、ユーザーに与えることができる影響も高まるといえます。
※メラビアンの法則=人に与える影響の“構成要素”とその“影響力割合”が「言語:7%」「聴覚:38%」「視覚:55%」の3つで構成されるとする法則。
・YouTubeユーザー数は世界最大数
YouTube利用者は20億人を超えるとされています。世界最大の動画プラットフォームにおいて広告配信ができれば、当然視聴してもらえる機会は増えるといえます。
・ターゲットを絞れる
[性別・年齢・地域・世代年収・関心のあるキーワードやトピック]などターゲットユーザーを詳細に設定ができるため、より無駄なくターゲットユーザーに広告を見てもらえる可能性が高まります。
・自社Webサイトなどへの直接誘引が可能
動画広告内にCTAを表示させ、Webサイトへ誘引することができ、コンバージョンに関係するユーザー行動に大きな影響を及ぼすことができます。
※CTA(Call To Action)=ページへの遷移やコンバージョンという、視聴ユーザーにとってほしい行動を誘導するボタンをいいます。
[今すぐ会員登録]をクリックすると外部サイトへ飛び、容易に登録手続きが開始する経験をしたことはありませんか?このクリックボタンのことです。
・リマーケティングリストで再アプローチ
YouTubeチャンネルをGoogle広告のアカウントにリンクさせることで、リマーケティングリストを作成することができ、YouTubeチャンネルを以前視聴したユーザーに再アプローチすることが可能です。
例えば、商品やサービスのリピーターに対して、あるいは購入に至らなかったものの、関心は高いであろう視聴者に対して、再度アプローチをすることができます。
効果的な動画広告をつくるために
以上のような動画広告の良い側面を理解し、実際に効果的なYouTube広告をつくるために、どういったことに気をつければよいでしょうか?
①勝負は最初の5秒間(インストリーム広告)
インストリーム広告とは、動画再生画面に表示される広告で、5秒視聴後にスキップができることが特徴です。
インストリーム広告は、ユーザーが見たいと思う動画の前に表示されるため、ユーザーにストレスを与えやすいとされています。
スキップするユーザーが多いですが、インストリーム広告は、30秒以上(30秒未満の動画広告であれば最後まで)広告が視聴された時点で課金されるシステムのため、興味を持ってもらえなかったユーザーには、スキップを促すことで無駄な広告費用を抑えることができるともいえます。
ともあれ、インストリーム広告をより効果的なものにするためには、5秒という短時間で、ユーザーの心を掴み、続きが見たいと思ってもらえるような動画冒頭をつくることが重要になってきます。
②質の高い動画に仕上げる(インストリーム広告)
先ほども述べたように、インストリーム広告はその配信タイミングや場所によって、ユーザーにストレスを与えやすいです。
さらに動画広告の内容も質が低いとなれば、ユーザーの企業やブランドに対する不快感を強めることになります。
質の高い動画であることを目指すためのポイントをいくつかご紹介します。
✔︎プラスイメージを与えやすいものを動画にとりいれる
(例:子供や女性、笑顔、馴染みのある顔、アニメーション)
✔︎人気のあるYouTuberとのコラボ企画
✔︎シーズン毎のビッグイベントに絡めた話題性ある動画
✔︎SNSでユーザーがシェアしたくなる動画
(例:共感など感情に訴えるもの、解説や方法など実用的な価値を伝えるもの)
③見出しと説明文で惹きつける(ディスカバリー広告)
ディスカバリー広告とは、YouTubeの検索結果や、関連動画欄に表示される広告です。
ユーザーがクリックなどのアクションをしなければ、動画広告は視聴してもらえません。
しかし、動画広告を視聴してくれたということは、広告内容に興味を持ったユーザーが集まっている可能性が高いということでもあります。
ターゲットユーザーへ効果的に働きかけるためにも、見出しと説明文に注力し、クリックしてもらえるようにしましょう。
④目的を明確に
広告の目的を明確にすることで、指標が定まります。それによって、どういった広告内容とするのか、どういった動画広告の種類を選ぶのかが決まり、効果的なアプローチが可能になります。
例えば
・目的:リスティング広告で落としたユーザーに対して、認知度を向上させたい
→動画広告をどれくらいのユーザーに視聴してもらえたのかが指標となります。
※リスティング広告=GoogleやYahooなどの検索エンジンの検索結果に表示される、ユーザーの検索キーワードに関連した広告のことをいいます。
例えば
・目的:動画広告を視聴後の、問い合わせや会員登録、商品購入などの件数を増やしたい
→コンバージョン数が指標となります。
⑤ターゲットユーザーを絞る
「3.動画広告のメリット」でも触れたように、動画広告には、[性別、年齢、世帯年収、関心が高いキーワードやトピック]などを選択して、配信ターゲットを絞る機能があるので、効果的に使います。
YouTubeユーザー数は、20億人と膨大な数です。
では、ただ動画広告を配信すればよいのかというと決してそうではありません。
動画広告が散見していれば、企業・ブランドのイメージダウンになる可能性が高くなります。
また、ターゲットユーザーの選定を誤ったことによるイメージダウンへの可能性にも注意が必要です。
⑥フリークエンシーキャップを設定
フリークエンシーとは、各ユーザーが動画広告に接触した回数をいいます。
そして、フリークエンシーキャップとは、同じユーザーに対する動画広告の“表示回数”や“視聴回数”を制限できる機能のことをいいます。
フリークエンシーキャップを設定し、各ユーザーの広告への接触を調整することによって、以下が期待できます。
✔︎ユーザーの不快感など、ネガティブ感情を緩和させることができる
✔︎動画広告配信の無駄を省き、コストを削減できる
さてここまで、動画広告の制作にあたって、効果的な広告とするためのポイントをお話しましたが、いざ広告を配信した後、より効果を上げるためにできることがあります。
動画広告を測定するツール
YouTubeアナリティクス
YouTubeアナリティクスとは、YouTube Studioが提供する無料の分析ツールです。
YouTubeアナリティクスにおいて、[概要]項目に以下の重要な指標が表示されます。
・視聴回数
・総再生時間
・チャンネル登録者数
さらに、詳細に分析することも可能です。
・地域
・視聴者の年齢や性別
・日付
・デバイスのタイプ
・視聴者維持率 など
“どういった人”が、“どこで”、“どのくらい”動画広告をみてくれたのかを把握し、改善していくことで、動画広告の効果をさらに上げていきます。
まとめ
YouTube利用者数は大きく膨らみ、動画広告の市場はますます成長しています。
ユーザーへのリーチ数をアップさせ、コンバージョン率もアップさせ、動画広告の効果を最大限に発揮させるための方法を考えていくことが、より一層求められるでしょう。
また、Google広告が求めるポリシーに従っていくことも、広告主にとって大切な任務であることを忘れないようにしましょう。
参照:広告のポリシーの概要